拡大し続けるSFAツールの市場 導入が進む背景やメリットを解説
SFAの導入を検討する企業は年々増えています。営業活動を効率化・標準化するSFAは企業の売上・利益向上に欠かせないツールとなりつつあります。
実際、SFAの導入によって、売上や利益を伸ばしている企業もあり、その効果の高さで市場が拡大しています。
本記事では、SFAの導入が進む背景や、SFA導入のメリットについてお伝えします。
SFAツールの市場規模は急成長中
ここ数年、SFA製品やCMSといった業務支援ツールの名前をよく聞くようになったかと思います。実際に業務支援ツールの市場を調査したデータもあり、それを見ると急成長していることがよくわかります。
業務支援ツールが出始めた2016年ごろの実績では1,297億円の市場規模だったものが、2022年の予想値では4,780億円まで上昇すると予想されています。
【参考】ミック経済研究所:クラウド型CRM市場の現状と展望 2018年度版
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP499929_V10C19A1000000/
この背景にはスマートフォンやインターネットの普及により、消費者の購買行動が変化し、それに伴って営業活動も変化していることが考えられます。
従来なら企業側が情報を提供するだけで買われていたものが、消費者自らがサービスについて調べたり、第三者の口コミを参考にしながら購買に至っています。 消費者の目も肥えてきておりこれまでの営業手法ではなかなか売れないため、顧客のステージに合わせたコミュニケーションが重要視されるようになってきました。
SFAで逐次情報を入力・共有することで適切な商談の機会を把握し、効率的な営業活動ができるようになります。そのためSFAの市場が急速に成長しています。
次に業務支援市場で選ばれるツールについて、くわしくご紹介していきたいと思います。
業務支援市場で選ばれるツール〜SFA・CRM・MA〜
業務支援市場で選ばれるツールは3つあります。
- SFA(Sales Force Automation)
- CRM(Customer Relationship Management)
- MA(Marketing Automation)
ここでは各ツールの概要と違いを簡単に説明します。
SFA(Sales Force Automation)
SFAについて簡単におさらいすると「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」の頭文字を取った言葉で、別名「営業支援システム」と呼ばれるツールです。
営業のプロセスや案件の進捗、商談内容、キーマンや導入製品といった顧客情報をデータベース化して共有します。
営業担当者が営業活動の情報を入力することで、同僚や上司と簡単に状況を共有でき、適切なアプローチが可能になります。
CRM(Customer Relationship Management)
CRMは「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント)」の略で、別名「顧客関係管理システム」と呼ばれるツールです。
SFAと同様に企業の売上・利益を最大化することを目的としています。
SFAは営業活動を一元管理することに特化していますが、CRMは従来の顧客情報に加えて、購買目的や思考・ニーズ、予算と言った情報まで管理し、顧客の属性を決め優良顧客を育てるマーケティング向けのシステムです。
MA(Marketing Automation)
もう一つ、業務支援市場で選ばれるツールにMAがあります。
これは「Marketing Automation(マーケティングオートメーションツール)」と呼ばれ、ユーザーの状況に応じて、あらかじめ定めたシナリオに基づき、メール配信やキャンペーン施策を自動で行うシステムです。
獲得したリードの育成を自動化し、受注確度が高いリードを営業に引き渡す仕組みが作れます。
なぜSFAツールの市場が拡大するのか
新型コロナウイルスによって働き方が変わり「テレワーク」が増えました。それに伴ってオフィスに出向かない営業活動が増えたことがあげられます。
その他に属人的な営業スタイルでは顧客を獲得できなくなってきており、企業側が営業担当者個人に依存する体質からの脱却を図っていることも影響しています。
SFAツールの市場が拡大する理由を具体的に見ていきましょう。
SFAツールの市場が拡大する理由1
1つめの理由は、営業活動が見える化することです。
SFAを導入すると、営業担当者ごとの日々の行動や営業活動が鮮明になります。それによって、つまずいたポイントや失注に至った原因が特定されやすく、営業プロセスの改善に繋がっていきます。
また、営業担当者が入力した情報を集計・分析することも簡単になるため、迅速な営業判断・経営判断ができるようになります。
SFAツールの市場が拡大する理由2
2つめの理由は、営業活動が標準化できるようになることです。
日々の営業活動をSFAに入力することで、情報が集約し、部署全体や会社全体のレベルアップに繋がっていきます。
営業活動の情報集まりノウハウとして蓄積されることで、商品ごとの受注パターンを確立させたり、新人への教育コストを下げることも可能になります。
SFAツールの市場が拡大する理由3
3つめの理由は、営業活動が効率化できることです。
SFAには営業日報や週報を作成する機能があります。Excelやワードと大きく違う点は、SFA上で作成すればすぐに同僚や上司と共有できることです。
日報や週報を作成したあとに、メールで送付したり指定フォルダへアップロードするという手間が省けます。
また、クラウド型SFAならスマホやタブレットから操作できるため、外出先からでも日報が作成できます。さらに製品によっては、下書き保存機能もあるので、商談終了後にメモ書きし時間のある時に清書といった使い方も可能です。
SFA市場から最適なツールを選ぶポイント
SFA製品も数が多く、しっかり選んで導入しなければ失敗に終わってしまうことも考えられます。失敗させないためにはSFAを導入する目的を明確にしつつ、次の基準で選ぶと良いでしょう。
- 自社に必要な機能が揃っているか
- 導入後、営業担当者の負担が増えないか
- カスタマイズの柔軟性があるか
それぞれ解説します。
自社に必要な機能が揃っているか
SFA製品は、多機能なツールが搭載されていることが多いです。機能が多ければ様々なことができるようになると思いやすいですが、多すぎる機能はむしろ邪魔になることもあります。また、機能が多い分価格も高くなりやすいです。
使わない機能が多くて高い製品よりも、必要な機能だけが揃って安い製品の方がコストパフォーマンスが優れています。
導入後、営業担当者の負担が増えないか
SFAの導入後、一番使うのは営業担当者です。これまでのやり方が大きく変わるので、営業担当者が使い安いツールを選ぶことが大切です。
営業担当者が積極的に使いたいと思わなければ、導入しても定着せず、SFA本来の成果を上げることができません。そのためにも選定段階で、ツールを使うことになる営業担当者をプロジェクトのメンバーに入れることをおすすめします。
カスタマイズの柔軟性があるか
SFAの導入後、ずっと同じ仕様のまま使い続けることはほとんどありません。
一定期間使うと、「こんな報告も入力したい」「こうした方が使いやすい」といった要望が出てきます。また、別で導入したシステムと連携させたいという拡大の展望も考えられます。
昨今ではビジネスにおける変化のスピードが速くなっています。SFAもそれに遅れることなく対応できるよう、カスタマイズに柔軟性があるSFAを選べると良いでしょう。
まとめ
全営業担当者の営業プロセスや案件の進捗、商談内容を一元管理できるSFA。過去の事例や営業プロセスを分析することで、受注率の高い「勝ちパターン」を見いだすことも可能になります。
また、クラウド型のSFAなら、スマホ・タブレットからも操作でき、外出先でも見積書のワークフロー申請や日報提出が行え、間接的な営業コストの削減に繋がります。
様々なSFAツールがありますが、各ツールの特徴と自社に必要な機能をしっかりと検討し、御社に最適なSFA製品・ツールを検討していただければと思います。