SFAとCRMの違いを理解して自社にあった製品を選ぶための全て
SFAとCRMってどう違うの?
SFAを導入しなくても今あるCRMで十分じゃないの?
自社ではSFAとCRMどっちを導入するのがいいのだろう
SFAについて語る際、しばしば「CRMとの違い」について質問されることがあります。
たしかに、SFAとCRMは、一部の機能が重複している点はあります。
しかし、そもそもの活用場面が異なるシステムであり、まずはそれぞれの特徴を理解することが使いこなすためにも重要です。
そこで今回は、SFAとCRMの違いについて詳しく解説していきます。
それでは参りましょう!
SFAとCRMの違いを概要から解説
SFAとCRMは、類似するところも多いため、利用者からするとその違いがわかりにくいところがあります。
SFAとCRMの市場規模について、調査会社の発表も合わせて1つの市場として発表している会社もあります。
IDC Japan 株式会社が2019年7月に発表した、2018年の国内CRMアプリケーション市場の市場規模は1,572億1400万円でした。
この市場では、2018年~2023年の年間平均成長率(CAGR)5.8%で推移すると予測されており、2023年には2,079億8,000万円になると発表しています。
参考:最新の国内CRMアプリケーション市場予測を発表
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ45356819
それでは、SFAとCRMそれぞれの利用目的から確認していきましょう。
SFAの利用目的
まずは、SFAの利用目的からくわしくご紹介します。
SFAは営業支援システムと言われており、営業管理にフォーカスを当てたシステムです。
SFAの利用目的は、顧客情報の管理、営業のプロセス管理、商談全体の進捗管理や営業の行動管理をすることで、営業活動を数字で把握できるようにするとともに、営業の生産性を高め、売上向上を実現する点です。
CRMの利用目的
次に、CRMの利用目的について見ていきましょう。
CRMはカスタマー・リレーションシップ・マネジメント、つまり顧客との関係を管理するシステムです。顧客情報や対応履歴、問い合わせ内容などをデータベースに蓄積していきます。
CRMの利用目的は、顧客とのコミュニケーションを管理していくことで、関係性を強化して、売上向上を実現する点です。
それぞれの目的を確認したところで、次にどういった課題の解決が向いているのかを確認してみましょう。
SFAとCRMが向いている課題
ここでは、SFAとCRMの違いをさらに理解していくために、それぞれどういった課題を解決していくことに長けているのかを解説していきます。
SFAが解決する課題
まずは、SFAが解決することが向いている課題です。
SFAが解決することに長けている課題は、営業に関することです。たとえば、
- 営業管理が人依存になってしまっていて組織全体でスムーズに営業状況が集計できない
- 商談のステータスがわからないので売上の着地予想がわからない
- 営業が顧客とどういったコミュニケーションをしているのか把握できない
- 全社で見ると営業活動に重複や漏れがあり効率が悪い
といったものです。
特に営業活動で得た情報が個人に依存してしまうことで発生する課題を解決することが向いていると言えます。
CRMが解決する課題
次に、CRMが解決する課題です。
CRMが解決することに長けている課題は、
- 社内で顧客情報がバラバラで使いたいときに使えない
- 顧客とのやり取りの記録がないでどうやってアプローチして良いかわからない
- 営業とサポートデスクで同じ顧客に対して違うことを伝えてしまった
といったものです。
特に、顧客情報や顧客とのコミュニケーションの情報を管理できていないことで、顧客に対して適切なアプローチができなかったり、顧客満足度を上げられないという課題を解決することに向いていると言えます。
それでは、次にSFAとCRMには、それぞれどういったメリットがあるのか見ていきましょう。
SFAとCRMのメリット
ここでは、SFAとCRMのそれぞれのメリットについて考えてみたいと思います。
まずは、SFAを先に確認していきましょう。
SFAのメリット
SFAのメリットとして、以下の3つを紹介していきます。
- 営業活動を見える化できる
- 営業活動を標準化できる
- 営業活動を効率化できる
それでは、それぞれ見ていきましょう。
営業活動を見える化できる
SFAの1つ目のメリットは、営業活動を見える化できるということです。
SFAを活用することで、属人化で見えなくなっていた個々人の営業活動を可視化にすることが可能です。
SFAでは、入力項目を自由に設置したり、その項目ごとに入力の必須・任意を選ぶことができます。
自社で営業状況を把握していく上で、蓄積したい項目を決めて営業を行うたびに入力するように運用することで、営業情報を見える化することができるようになります。
営業活動を標準化できる
SFAの2つ目のメリットは、営業活動を標準化できるということです。
営業管理をあまり行っていない企業では、提案資料や営業トーク、見積書の項目などが営業担当ごとにバラバラになっています。
営業担当者が自分の判断で提案を作れるほうが、パフォーマンスが良いという判断もあるかもしれません。
しかし、多くの場合は、営業ごとに違う話をしてサービス内容に差が生まれてしまったり、見積書の項目が違うために売上計上するときの枠が別になってしまったというような、組織全体で見ると非効率なことが発生する要因になってしまいます。
SFAを利用によって顧客に提示した提案書も社内共有をさせたり、見積書の作成もクラウド上で行うことで、営業が自分の判断で勝手に営業活動を行うことを抑制し、標準化させることができます。
営業活動を効率化できる
SFAの3つ目のメリットは、営業活動を効率化できるということです。
SFAには、商談のステータス管理や営業の行動管理をする機能が充実しています。
たとえば、商談のステータスごとに、営業企画部門から適切な営業資料を準備することはできます。
また、営業任せになっていた顧客へのアプローチをシステム管理することで、タイミングを逃さないように通知したり、重複した対応をしないように管理することができ、営業活動を効率化することができます。
CRMのメリット
CRMのメリットとして、以下の3つを紹介していきます。
- 顧客管理を一元化できる
- 営業以外のチャンネルの情報も蓄積できる
- マーケティングの効率的な実施ができる
こちらもそれぞれくわしく解説をしていきます。
顧客管理を一元化できる
CRMの1つ目のメリットは、顧客管理を一元化できるということです。
CRMでは、顧客管理データベースを構築して、営業だけでなくマーケティングやサポートデスクなど、自社と顧客のコミュニケーションを一元化することができます。
それによって、顧客に対して一括した会社として整ったコミュニケーションを行うことができ、たとえば、顧客から営業担当に伝えた内容を理解した上でサポートデスクが対応をするといったことが可能になります。
会社として一元管理できるので、顧客対応による満足度を高めることにつながります。
営業以外のチャンネルの情報も蓄積できる
CRMの2つ目のメリットは、営業以外のチャンネルの情報も蓄積できるということです。
CRMは営業だけではなく、マーケティングやサポートデスクといった形で部門横断で使用します。
特に、マーケティング部門でどういった情報を顧客に渡してあるのか、といった情報は、営業がアプローチをかけていく上で非常に有用な情報です。
特にBtoBでは、営業をインサイドセールスと営業部門に分けて、マーケティングからのインサイドセールスへの流れを作って顧客とコミュニケーションを取ることが主流になってきており、チャンネル横断の顧客情報管理の重要性が増しています。
マーケティングの効率的な実施ができる
CRMの3つ目のメリットは、マーケティングの効率的な実施ができるということです。
CRMによって構築していく顧客を中心としたデータベースは、マーケティングのアプローチ先リストです。
顧客ごとにステータス分けをするなど色分けをして、定期的にコミュニケーションを行い、将来的な見込み客として育成していくための顧客情報になります。
整理された顧客情報があることは、効率的にマーケティングを行うことに結びつきます。
SFAとCRMの機能の比較
ここでは、SFAとCRMの具体的な機能面での違いについて解説をしていきます。
営業の流れをイメージしやすくするためにリード獲得を目的とするMAも合わせて掲載しています。
SFAは営業管理を中心としたツールであり、CRMは顧客管理を中心としたツールです。
その大きな方向性の違いから機能面での差異もあります。具体的な点は製品ごとに異なるため、SFAとCRMの機能面で差異が出やすい傾向のある部分をピックアップして解説をしていきます。
SFAにあってCRMにない機能
まずは、SFAにあってCRMにない機能についてピックアップしていきます。
SFAにあってCRMにない傾向がある機能は営業管理に関する機能です。具体的には、
- 商談管理
- 営業進捗からの予実管理
- 営業日報の管理
といった部分は、CRMにない傾向があります。
営業の業務効率化をすることが中心となっているため、営業が必要とする機能が充実しています。
それでは、逆にCRMにあってSFAにない機能はどういったものでしょうか。
CRMにあってSFAにない機能
次に、CRMにあってSFAにない機能についてピックアップしていきます。
CRMにあってSFAにない傾向の機能としては、
- メールマーケティング機能
- 広告配信との連携
- 既存顧客へのコミュニケーション管理
などの部分です。
顧客を中心としたデータベースだからこそ、営業に限られずに部門横断で、マーケティングのアプローチに使える機能があったり、既存顧客の管理がしやすい機能があります。
顧客の属性に基づく情報発信やWebコンテンツの制作にもCRMから得られるデータが活用できます。場合によっては顧客ごとにランディングページを変えるなどの仕組みを導入することも可能です。
顧客とのコミュニケーションスタイルに応じて多様な機能を実装できるのもCRMの特徴です。
まとめ
本記事では、SFAとCRMの違いについて利用目的、メリット、解決できる課題、機能といった形で詳しく解説をしてきました。
SFAもCRMも企業が事業活動を推進する中で活躍をしているシステムであり、一長一短があります。
CRMは過去の購買履歴という「結果」をもとに最適なアプローチを試みるツールであるのに対し、SFAは顧客との商談内容や営業社員の行動という「プロセス」をもとに営業効率化を図るツールなのです。
特に、SFAはBtoB営業のプロセスに着目し、その効率を上げたり、案件の進捗管理や営業行動のパイプライン分析を通して受注率を向上させるために活用されています。
自社で解決したい課題にあわせて、SFAとCRMの利用検討を進めてみましょう。