小学校の実践事例
伝えたい気持ちがふくらんで子どもたちの中で深化する学び
〜 「はっぴょう名人」でニュース番組づくり 〜
石川県・金沢大学教育学部附属小学校
カラー出力だからこそ
伝えられること
戸田真実(とだ・まこと)先生 4年3組担任。 学級通信「HOPE」発行(B5縦)。 |
松田宏明(まつだ・ひろあき)先生 6年3組担任。 学級通信「Kyou You 36」発行(A4縦)。 |
増田慎一郎(ますだ・しんいちろう)先生 6年2組担任。 学級通信「燃えろ!ろくのに魂」発行(A4横)。 |
増田学級学級通信カラー化に対する 子どもたちの感想 |
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良いところ ●写真が見やすくなった ●表情が分かりやすくなった ●作品の良さが伝わる ●大事なことが分かりやすくなった ●もらったとき楽しい(読みたくなる) |
良くないところ ●色を使いすぎ(必要なところに色がない) ●文字の背景に色を付けると見にくい ●タイトルの「魂」をもっと強調したい(白抜きだと弱い) ●ふきだしが多すぎ ●写真の上に文字を重ねると見にくい |
金沢大学教育学部附属小学校には、学級通信の発行に注力している先生方がいる。その中で3名の先生方にお集まりいただき、お話を伺った。 「板書を撮影して載せると、どんな授業をしたのか保護者の方々にも伝わるようで、意外と好評なんですよ」
そう語るのは戸田先生。
「でも、今まではモノクロ印刷だったので、板書も赤や青のチョークで書いた文字は読み取りづらかったんです。おまけに黄色と白の色の違いなんて識別できないですしね。それが、カラーになって見やすく、ちゃんと読めるようになったのは収穫でした」
増田先生が言葉をつなぐ。 「カラーの利点としては、何より、子どもの表情が生き生きと見えること。写真の 持つ微妙なニュアンスも伝わるんですよね。だからこそ、子どもたちも保護者の方々も読む気になってくれる」 「保護者の方々も、子どもたちがどんな風に学校で生活しているのか、カラー写真だとよく分かると仰ってくださっています。特に白黒で小さい写真だと、何をしている写真なのか非常に分かりづらかった。文字で解説してあったとしても、やはり写真の説得力は違いますからね」
そう言って松田先生もうなずく。
カラー出力だからこそ
気を付けたいこと
金沢大学教育学部附属小学校では、6年生の合唱を本格的なホールで披露しようという取り組みが行われている。音頭を取るのは音楽科の今井先生。 「子どもたちが自身の手で、コンサートの企画からプログラムの作成、ホールの手配や宣伝活動まで行うトータルな実践を音楽科で行っています」
客席数308。コンサートもたびたび開かれるようなホールで歌う。それだけで子どもたちのモチベーションは高まる。 「コンサートという形で一般にも公開し、表現することだけでも相当に刺激的なことです。さらに、ステージに 上がるまでの苦労や充実感は、音楽表現の向上にもつながると考えています」
ステージ発表は最高の音楽表現の場と今井先生。とてもユニークな取り組みだけに、じっくりと追いかけていきたい。
今井直人(いまい・なおと)先生
音楽科。「企画から運営まで、単なる社会勉強じゃ
ないかと思われるかもしれません。それでも、苦労
の上で響く歌声は素晴らしいものです」
子どもたちが素案を作り、今井先生が仕上げたプログラム。「両面印刷というだけで凝った作りに見えるでしょう?」と今井先生。
普段は週イチ程度の発行ペースだが、卒業式前の1カ月はほぼ日刊ペースで発行している増田先生。「毎日必ず40部弱をプリントすると考えると、意外と大変なんです。でも、カラーでキレイなのに印刷速度も速くて、時間的に負担増にならないので助かりますね」
とは言え、カラーにすることで、気を遣わなければならない点も見えてきたと増田先生。
「子どもたちにカラーになった感想を聞いたのですが、その中で『色を使いすぎ』という意見があって、なるほどなぁと思いました。カラーだからとうれしくなって、つい色数を増やしてしまいがちなんですね。どう色を使えば読みやすくなるのか、現在試行錯誤中です」
そんな増田先生に、学級通信をプロがデザインし直したらどうなるか、試してみてもよろしいですかと尋ねると、「私も見てみたいです」と快諾をいただくことができた。