学校 DE デジカメ

第1回 デジカメの基礎知識と「マクロ撮影」
カメラマン&ライター/西尾琢郎

 情報教育やメディア学習といった枠組みを超えて、すでに学校の日常になくてはならないものとなった感のあるデジタルカメラ(デジカメ)。子どもたちの日常を記録し、また、子どもたち自身の目に映る感動を形にすることが手軽にできるようになったことの効果は、誰もが認めるところでしょう。このように「手軽さ、簡単さ」が受け入れられたデジカメですが、実はその使いこなしは意外に奥が深いもの。それをしっかり押さえることで、もっともっと授業は変わり、子どもたちの目の輝きも増してくるはずです。あなたの学校のデジカメ活用度をグーンとアップさせてみませんか?

知ってる!?
デジカメ基礎知識

デジカメ設定画面

▲多くのデジカメでは、(A)撮影画像サイズや画質を変更することができるようになっている。これらを低く設定すると(B)撮影可能枚数が増える。撮った写真をどう使うかなどによって、最適な設定を行うようにしよう。

デジカメの液晶画面

▲デジタルカメラの利便性を大きく高めているのが背面の液晶モニターだ。撮影画像をその場ですぐに確認できるメリットは計り知れない。結果をすぐに確かめられることが大きく力を伸ばしていくのは、授業における振り返りの効果と通じるものがある。

何を今さら、と思われるかも知れませんが、デジカメの魅力について、あらためておさらいしてみましょう。これほど短期間に学校に広く普及したIT機器は他にないと思われるからです。

デジタルカメラの最大の魅力、それは撮った画像がその場で見られることです。それまでのフィルムを使ったカメラでは、現像後でなくては見ることができなかった写真を、その場で見ることができるわけです。ですから思ったような写真が撮れるまで、その場で何度も撮り直すことができます。勉強でもそうですが、結果を確かめながら繰り返し挑戦することで、写真の撮り方はグングン上達していくものです。テレビやプロジェクターと接続して、簡単に写真を大写しできる機種が多いことも利点でしょう。コンピュータ室以外の一般教室でも生かせるこうした機能はありがたいものです。

また、フィルムのように「何枚撮り」という制約が少ないのもデジカメの利点でしょう。記録メディア(SDメモリーカードなどの、抜き差しできる記録媒体のこと)の容量や撮影画質にもよりますが、非常に数多くの写真を、フィルム交換の手間なく連続して撮影することができます。同時に、失敗写真はその場で削除することもできますから、記録メディアの容量に余裕がなくなったときにも、不要なデータを削除することで撮影可能枚数を増やすことができるのです。

現像・プリント代などの費用や、その手間による時間の制約をなくしてくれるデジカメは、授業に画像・映像を取り入れる大きな力になります。

▼活用のヒント

デジカメでは失敗写真を気軽に削除することができますが、授業の中では、あえてそれを禁じてみる方法もあります。つまり「失敗を記録」しておき、振り返りなどの際に「この写真はどこが失敗だったの?」などと問いかけることで、子どもたちの考えを深めていくことができるのです。