小学校の実践事例

アンケートを通して作る「クラス白書」で 自分たちの生活を見直そう 
「つたわるねっと@フレンド」のアンケート機能を生かして〜 
東京都・目黒区立下目黒小学校

小中学校での隣接学校希望入学制度など、積極的な学校改善への取り組みを行っている東京都目黒区。その中で、特に情報教育 に関し、区教育委員会の教育開発指定を受けてその実践研究にあたってきたのが下目黒小学校だ。大きな可能性を持つグループウェアの活用を、授業から学校生活全般へ と押し広げつつあるその活動の一部を見せていただいた。

区立小学校の先頭を切って

4年2組担任の大木先生と子どもたち

下目黒小学校は、目黒区教育委員会の教育開発指定を受けて、区内でも他校に先んじた環境整備や、その活用が進められてきた。

平成16年度の研究テーマは「学ぶ力と豊かな心を育てる」。その副題には「コンピュータ活用を通した各教科等の指導のくふう」とあり、 下目黒小の情報教育が、総合的な学習の時間だけにとどまらず、各教科での活用という段階に歩みを進めていることが感じられる。

自分の生活に生かせる問いを

 今回の取材対象は4年2組の国語の授業。表現力や読解力の育成を目指す国語は、教科の中でも最も情報教育的なアプローチと相性のよいものだろう。

子どもたちが取り組むのは、教科書の単元「生活を見つめて──四年一組生活白書」。毎日の生活の中で疑問に思うことについて調べ、その結果をまとめるというものだ。 この単元の第1のポイントは、子どもたちが、単なる興味本意ではなく、自分の生活の中で感じた疑問を形にすることにある。

振り返り学習のためのワークシートのファイリング(その1)振り返り学習のためのワークシートのファイリング(その2)

子どもたちの取り組みは、ワークシートのファイリングによっていつでも振り返ることができる。

4年2組がこの単元に取り組みはじめたのは11月のおわり。担任の大木先生は、教科書の単元ページをクラスで読み解き、その狙いを確かめ合うことからスタートした。 その狙いとは調べること、まとめること、そしてそれを元に自分たちの生活を見直すことだ。

続いて、調べることを決める作業が始まった。

「最初は子どもたちから、クラスの友だちに尋ねてみたいことを自由に出させたんですが、それをそのままOKにするのではなくて、なぜそれを調べたいのか、 調べたことをどのように生かしたいのかを問いかけるようにしました」と大木先生。

子どもたちは先生の問いかけに反応し、考えを深めながら、調べたいテーマごとにグループを作ったり、あるいは自分1人で取り組むなどして、 調べたいことをまとめていった。

さらにここで、学びを深めるための指導が行われる。それは、調べることそれぞれについて、予想される答えをいくつか考えておくこと。 これは実際のアンケート作りの際の選択肢として使われると共に、結果のまとめにあたっては、自分の予想と実際の回答との一致点や違う点など について考える材料となる重要なポイントだ。