小学校の実践事例

身近な題材を通じて環境を考える 教室を飛び出したアクティブな学習 
『一太郎スマイル』で大山川調査の報告書を作成する総合的な学習の時間〜
愛知県小牧市立篠岡小学校

篠岡小学校

校区内にある昔からの住宅地に、ニュータウンが続々形成されている愛知県小牧市立篠岡小学校。普段の生活の中で、子どもたちが自然と接する機会も少なくなりつつある。

4年生の総合的な学習の時間では、身近な自然に触れることで、環境について学習。調べたことをまとめて、発表する力を身に付ける授業を行った。

ホームページへの掲載を目指し やる気を引き出して授業スタート

小牧市立篠岡小学校の4年生は、総合的な学習の時間の中で、地元を流れる大山川に関するさまざまな調査を行い、環境について学ぶ。題して“大山川エコ調査隊”。

《水質調査》《水生生物調査》《昔の大山川》《ホタルのことを知ろう》《遊べる川にしたい》など、テーマ別に5〜6人のグループに分かれて学習を進めている。

先生から授業の流れを説明

今回、4年1組の子どもたちは、コンピュータを使って、これまでの調査結果や活動内容をまとめた報告書をグループごとに作成する。

子どもたちがコンピュータ室にそろい、授業が始まった。教室前方の大スクリーンには、先生機の画面がプロジェクターで投影されている。注目する子どもたち。

担任の丹羽敦先生が篠岡小学校のホームページを開いて、
「みんなが総合的な学習の時間に取り組んでいる“大山川エコ調査隊”の最新情報が更新されています。見てみましょう」
と声をかけると、子どもたちは各自パソコンに向かい、ホームページを開く。

「あ、ぼくたちの写真だ!」
そこには、大山川を海までたどった遠足や、川で生き物を捕まえている様子、ゴミ拾いの成果などの写真が並んでいる。
「これからみんなが作る報告書は、完成したらこのページに掲載します。がんばって作ろうね」
丹羽先生がそう投げかけると、「ヤッター」と子どもたちから歓声が上がる。

充実した環境のコンピュータ室

「前回は絵の取り込みをやりました。今日は、まず写真の貼り方を勉強します」
子どもたちは再び前方のスクリーンに目を向ける。

「最初に、『一太郎スマイル』の[絵や図をはる]をクリックしてください。これまでの活動をデジタルカメラで撮影した写真が、フォルダに入っています。その中から使いたい写真を選んで…。ほら、簡単だね。大きさも自由に変えられるよ」
と、まずは先生がやってみせる。

「今度は、いっしょにやってみます」
先生は同じ操作をもう一度繰り返し、子どもたちもスクリーンを見ながら、実際に写真を貼り付けてみる。
「分かったかな。それでは、報告書の続きに取りかかってください」

グループごとにテーマを設け 自由に学習を進める子どもたち

《水質調査》のグループは、大山川の水質調査を実施。
水温、酸性度、COD値などを調べたパックテストの結果をまとめているところだ。さっそく水質調査の様子を撮影した写真の貼り付けに取りかかっている。

図鑑を見ながら確認

「この部分はいらないね」「もっと人を大きくしよう」と使いたい部分だけを切り取って、「貼り付けるよ、エイ!」「文章と数字だけよりも、写真が入った方が分かりやすいね」

報告書に説得力が生まれ、グループ内に拍手が起こった。

こちらのグループのテーマは《昔の大山川》。クラスみんなで大山川へ出かけた川調べの日に、このグループは、近くで農作業をしていたおばあさんに突撃インタビューを試みた。おばあさんは、「昔はゴミも少なく、もっときれいな川だった」と感想を語ってくれた。

また、話を聞く前にインターネットで調べようとしたが、情報がほとんどなかったらしく、
「インターネットで調べるより、人に聞いた方が分かることもたくさんあった」
と、子どもたち。
インターネットや書籍などで分からないことでも、さまざまな方法で調べることができるということを体感したのは、大きな成果。情報リテラシーの学習につながったようだ。

「写真はこっちのほうがいいんじゃない?」

《川をきれいに》をテーマに活動をしているグループは、先週、「ゴミをへらそう!」と呼びかけるポスターを『一太郎スマイル』で作成して各学級に配布した。この活動は、他学年とコミュニケーションをとるという意図も含まれている。

ポスターを配った感想を聞いてみると、「大変だったけど、それで大山川が少しでもきれいになればいいなと思いました」と微笑む。

これから、作成したポスターの画像を報告書に取り込むところ。ポスター用の大きな画像を報告書のサイズに合わせて縮小するのも、お手のものだ。